フィリピン留学してからオーストラリアへ行った。やり直せるならどうするか(2)
引き続き、反省を込めて、時間を巻き戻すならどうしたか?を考える。
行く前にどんな準備をすればよかったか?
会社をやめたら手続きがある
行く前に身辺整理が必要だ。これには選択の余地はなかった。
会社の総務から離職証明書が送られてくるのを待ち、ハローワークで失業保険をもらうための手続きもする。
留学中は行けないから、手当なんてもらえない。
でも退職から1年以内なら、帰国後にもらえる。僕は1か月分もらってからフィリピンへ行ったので、途中すっぽかした。でも問題なかった。
会社から健康保険の資格喪失証明書をもらい、市役所で国民健康保険の手続きもしないといけない。
厚生年金から国民年金への変更も必要だ。
所得が減るから、天引きさた税金が取り戻せるかもしれない。次の3月には確定申告をする。(他人に委任もできる)
…いろいろあるが、やってみたらどれも大した手間じゃない。
ただ、検索して調べて、役所に行って、それなりに手間だった。
住まいも問題だ。
会社を辞めようが辞めまいが、部屋を借りている人は、処分しないといけない。近藤麻理恵さんの本などを参考に、たくさんのモノを捨てる。洗濯機とか冷蔵庫はどうしよう。
数カ月なら、家賃払い続けたまま語学学校へ旅立ってもいい。
でも1~2カ月だと確実に、短すぎた!という感想だろう。
期間が長いと、家賃払うのは無駄だ。郵便物だって問題だ。
原則では、郵便局は1カ月くらいしか留守中の郵便を預かってくれない。
だから理想を言えば、部屋は知人に又貸しすることだ。
でも僕にはそんなアテがなかった。
部屋を処分し、荷物は実家で預かってもらうほかなかった。
それがダメな人は、月1-2万円の「貸し倉庫」にぶち込めばいい。
行く前にどれだけ勉強すれば十分か?
理想をいうなら、入学する前にレベルを高めたほうがいい。
北米、豪州、英国 …どこにおいても、語学学校のグループクラスにおいては、「低いレベルほど日本人だらけ、高いレベルほど異国の人だらけ」になることが、留学生のあいだではよく知られている。
マンツーマンでも「もっと勉強しておけばよかった」と後悔する人が多い。外国でなければ体験できないのは、コミュニケーションだ。だから、文法やるのはもったいない。
だが、彼らが日本にいたときにやれたか? ―たぶんできない。ならば、さっさと行くほうが正しい。
”あるところに達するまでできない” と言う考え方は間違いのもとだ。「目的地までの信号が全部青になるまで待つな」というやつだ。
留学生なんてお客さんだ。特にフィリピンなんて、ハローとサンキューしか知らないおじいさんだって来る。恐れる必要はゼロだ。
それとは逆に、僕のようにTOEIC®900点で行くのはどうか?
さすがに準備過多だった。基礎があれば伸びが早いだろう、という戦略は間違いじゃなかった。だが、ズルズル出発を遅らせる必要はなかった。
●結果:やり直せたとしたら、もっと早く、さっさと行くだろう。
オーストラリアの職業訓練校をまた選ぶか?
これは微妙だ。
もし僕が20代だったらば、ワーホリを選ぶ。学位を選んだとしても、あとでワーホリやると思う。
ワーホリビザで滞在したあとにやっぱり学位を狙おうという選択も可能だからだ。
ワーホリの年齢制限を超えた人が「英語圏での学生体験」と「ワーホリ的な働く体験」を満たす選択肢は、少ない。
オーストラリア・ニュージーランド・アイルランドの学生ビザしかない。
参考:
僕はオーストラリアの職業訓練校では一番上の学位を選んだ。
行ってよかったか、は「大声でイエス」だ。
オーストラリアのように「日本より上手くいっている(部分がある)社会」を見ること自体が、衝撃の体験だ。
だが、学校とコースの選択がベストだったかは、悩ましい。
実は、後から知ったのだが
「学位・タイトル」のうえでは、”安い・ユルい・長期”の学校を選んでも、”高い・キツい・短期”の学校を選んでも、大差なかったのだ。
地元企業なら、同じ学位でも「この学校は良い」「ここは名ばかり」と知っているらしい。だが、日本企業は別だ。履歴書上でのタイトルは、どちらも変わらない。
だったら、スローペースな学校に通い、あと数年滞在を続けたかった… そんな気持ちは、今でもときどき首をもたげる。
選ぶコースも問題だ。
僕は外国人よりもオージーと交流したかった。
だが、外からは全くわからないが、「ビジネス」と名の付くコースには地元オージーは少なめで、外国人が多い。
他人のブログを見るかぎり、カナダとか他国でも同じらしい。
これは職業訓練校にかぎらない。地元の名門大学の学生と部屋をシェアしたこともあるが、ビジネス系の学科はかなり外国人が多いという。
内容だって、問題だ。
職業訓練校の授業は、社会人経験の長い僕らにとって、簡単すぎた。会計は簿記3級のレベルだし、僕に言わせればSWOT分析なんて時間の無駄だ。
※ひとつだけ、オンラインで世界中の大学やビジネススクールの学生と競う「靴屋さん経営のシミュレーションゲーム」があり、これは最高だった。(僕は世界で17位タイを取った)
僕は情報技術者資格もあったので、コンピュータ系の学科にしたほうがよかったかも… と後悔もした。
まあ、ひたすら無言で画面に向かう彼らの姿をみると、ビジネス系でよかったな… にまた戻るのだが。
結論:結局、学校選びはいまでも正解だったかわからない。
やり直すなら、安くて長く滞在できる学校にするかもしれない。
ただし「行くか、やめるか」の問いなら、「行く」。
僕の思うところは、以上だ。
もし1000万円以上用意できて、大学の成績が良い人は、素直にMBAにしておいたほうがいいだろう。僕ならシンガポールも考える。
じつは僕は、友人Yがハーバードで学んでいるとき、彼をたずねて教室に入ったことがある。
ニューヨーク旅行のとき、レンタカーを借りてボストンまで行ったのだ。クルマは、エクスプローラーというフォード社の巨大SUVだった。
僕らは、"spangler"とかいうカフェテリアみたいな建物で待ち合わせて、散策を開始した。
最高峰のMBAスクールは環境が全然違う。
Yと歩いているときに、声をかけてきたロシア人は、ロシアの石油企業の幹部候補だという。おなじく声をかけてきた一見平凡な中国人女性は、あのハーバードでトップレベルの秀才だという。
文字にすると同じ「留学」でも、語学留学とは天と地の差だ。
(正直、メチャクチャきれいな子はひとりも見かけなかったが…)
だがそのMBAでさえ、100%正解とはかぎらない。
コンサルタントの神田昌典さんや、DNAの南場さんに至っては、自腹をはたいてMBA留学しておきながら、「起業家にとっては役に立たない」といった主旨の発言をされている。 そりゃスタートアップ企業が集客するゲリラ的なノウハウなんて習わないだろう。
以上、少しでも実態を知り、参考にしていただけたら幸いだ。