ふろむぜろぽいんと

社会人留学してしまいました。

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話すTOEIC®!スピーキングテストは今後爆発的に普及すると思う理由(1)

TOEIC®スピーキング&ライティングは、2006年に導入されたまだ歴史の浅い試験だ。
僕は、まだ年3000人ほどしか個人受験しない2009年に開始した、アーリーアダプターだった。
まず以下のデータを見ていただきたい。

TOEIC® スピーキング&ライティングテストの概要

(以下、特に断りがない限り日本国内に限っての考察)

このテストはその名の通り、TOEIC®の「話す・書く」バージョンだ。まだマイナーだが、受験者数はじわじわと増えている。

 TOEIC®スピーキング&ライティングテスト受験者数

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 出典:ETS TOEIC®テスト 公開データ・資料. (n.d.). Retrieved July 12, 2016, from http://www.toeic.or.jp/toeic/about/data.html

右肩上がり

もっと最近の、2015年7月から2016年6月までの一年間を手計算で足してみると、年に8,947人(個人受験)と、少しずつだが増えていることがうかがえる。

団体受験は2016年のデータが無いが、2014年データですでに15,000人を超えているから、いまは2万人を超えているだろう。

あわせると、年間で3万人ちょっと、ということになる。

 

だが、いまビジネスマンの英語力として「猫も杓子も」受験するのは、いわゆるふつうのTOEIC®、「聴く・読む」ほうの、従来型のテストだ。

こちらの受験者数をみると…

TOEIC®テスト受験者数

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 出典:ETS TOEIC®テスト 公開データ・資料. (n.d.). Retrieved July 12, 2016, from http://www.toeic.or.jp/toeic/about/data.html

  あれ、さっきと単位が違うぞ。。(千人)だから、

に、にひゃくよんじゅうまん…!!

 

240万人 対 3万人。

 

その差80倍。
3万人なんて、ノーマルTOEIC®でいえば、1983年の水準にすぎない。

いや団体受験だと会社が申し込んで、多くの人はイヤイヤ受験しているわけだから、いちど”自主的な受験”にかぎって見てみよう。

約111万3千人 対 約9千人。

こんどは約124倍の差だ。

※1年に複数回の受験を繰り返す人はどちらの試験にも存在するので、それは考慮しない。

※なお日本の英検は2015年度で320万人が受験したそうだが、9割近くが学生なので自主的な受験者はおそらくTOEICよりも少ない。


そう、TOEIC®を個人で受験している人=日本の英語学習者のなかで、さらにそのうちの100人に1人しか受験しない試験ということだ。
というか、受験者の数は日本の自殺者の数よりも少ないのだ。

今はまだ、普及の臨界点を超えていないのだ。今から参戦した人も、まだ「アーリーアダプター」と言えると思う。

 

でも、僕はこの先、このスピーキング試験が、爆発的に日本の英語産業を席巻すると思っている。爆発的じゃなくても、じわっと席巻すると考えている。

 

なぜこの試験が素晴らしいのか

理由その1.実戦的。本当の実力を反映する

僕は初期のころに受験したアーリーアダプターだったと書いたが、はじめての受験では衝撃を受けた

 

ヘッドフォンの向こうで、電話をかけてきたお客さんが英語でこう言う。

機械に私のカードを入れたら吸い込まれて出てこないわよ!!どうしたらいいの!

これに対し、スタッフになったつもりで、問題の理解を示し、解決策の提案をしなければならない。

「Okay, ma'am, we are very sorry for your inconvenience, ahh... 」

※”問題バンク式”であるTOEICは、問題を漏らしてはいけない規約があるので問題は改変している。

マジかいな!!と内心思った。

 

そう、この試験においては、点数だけ高くて喋れない人などいない。点数が高ければ、すなわちしゃべれる。


問題形式をご存じない人のために下記する。ご存じの方は読み飛ばしていただいて構わない。

<試験スタイル>

会場でコンピュータに向かい、マイク付きヘッドフォンを装着する。ライティングはキーボードを使う。メモは取れない。聴こえてくる音声に対して回答し、録音されて採点される。

 <スピーキング編>

問1,2
画面に表示された文章を音読するだけ。

問3
画面上の写真を見て、言葉でそれを描写する

問4,5,6
電話越しにアンケート風の短い質問に答える

問7,8,9
画面に映された資料を読む。例えば特売のチラシや、会議のタイムテーブルなどだ。そして、それに関する電話問い合わせに答える

問10
まず問題・悩みをもつ顧客や友人のメッセージを聴く。留守電を想定しているケースが多い。それに対する返答を相手の留守電に吹き込むイメージ。

問11
「○○と××とでは、どちらがいいと思うか」などの問い。それに対する自分の考えを理由付きで1分間語る

 <ライティング編>

問1-5
表示された写真に関し、なにか一文を作る。指定された2単語を含む文にしなければならない。5問。

問6,7
届いたEメールを見て、返事を書く。2問。

問8
エッセイを書く。
「○○と××とではどちらがいいと思うか・今後○○はどう変わると思うか」といった問いに、理由や例を挙げて自分の考えを書く。目安は300単語と、思ったより長い。1問。

 

それぞれ200点満点で、合計400点満点だ。

まだやったことが無い人は、ぜひ公式サンプル問題を見てほしい。

square.toeic.or.jp


理由その2.試験対策をしたら、本当に話せるようになる

残念ながら、基礎のない人がいきなり受けるには適さない。

実施元のETSも、スピーキング&ライティングは、”点数が700以上になったらおすすめです”なんてふうに書いている。

すると対象はTOEIC®受験者全体の上位から四分の一くらいの人だ。

 

こんな問題形式だから、”対策勉強”をする人たちは: 

「英語の発音を練習して、英文を音読する」
「写真や風景を見ながら、見たものを説明する練習をする」
「英語で質問に回答する練習をする」
「英語で自分の意見を語る練習をする」
「英文Eメールを書く練習をする」
「英文エッセイを書く練習をする」

 …こんなトレーニングをするわけだ。これなら、喋れてしまわざるをえないし、書けてしまわざるをえない。

点数はとれても話せない…なんて醜態をさらすことはない。スコアしか見てない資格オタクでさえも、リアルな実力がついてしまう。

 
もちろんテストなんか無くても、普段からこうした練習をやればいいのだけど、ふつうは続かない。だからお金を出してテストに申し込み、スコアという目標・ニンジンを得るのだ。

 

理由その3.繰り返し受験に適している

機械で採点できないTOEIC スピーキング&ライティング®は、受験料が約一万円と、かなり高い

それでも、他の「話すテスト」よりは、受験を繰り返してハイスコアを目指すのに向いている。比較してみると、


英検

年3回くらいしか試験日が無いし、国外で通用する肩書かどうかも微妙。また究極的には、いちど一級を取ったら、スコアを上げるために再度受験なんてしないのでは?
良い面もあり、面接があるしノーマルTOEIC®よりも実戦的で、検定料も高くないのだが。。

TOEFLibt®:
受験料が高すぎる。円ドルの為替にもよるが2~3万円。この試験で100以上行くような人は本当の英語力があると言えるが、大学に入るための語学力をみる目的ゆえに、内容はアカデミック中心。「無脊椎動物」って英語でなんて言いますか?

IELTS®:
受験料が高すぎる。円ドルの為替にもよるが2~3万円。内容はTOEFL®と違って、アカデミックのほかにジェネラルも選べるのだけれど。またスコアも1.0から9.0までの0.5点刻みと、粗い。「入学や永住のために6.5以上が必要!」という人が、それを目指して取れるまで頑張る試験、というイメージ。

国連英検、ケンブリッジ英検その他:

英語学習者の僕自身あまり知らない…のでまして世間では…
実施の回数も少ない。


このように見ていくと、今現在TOEIC®スピーキング&ライティングのほかに選択肢なんてないとも言える。

次回に続く。今度は例題も挙げてみたので、未受験の方もぜひご覧いただきたい。

www.fromzeropoint.com