ふろむぜろぽいんと

社会人留学してしまいました。

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発音フェチの日本人留学生たち(1)その生態

今に始まったことではないけれども、日本人留学生は発音に関する他人の評価が大好きだ。僕らはどうすればいいんだろう。

日本人留学生は発音の話が大好き

日本人留学生の多くが「あこがれる自分像」としているもの。

それは…

英語をネイティブ並みに流暢に話す自分!
外国で活躍し、日本でも西洋人の友人を案内し、周囲は自分を羨望のまなざしで見ているぅぅぅ!!

 …といったものだろう。

 

カッコよさ。尊敬。

まあ大なり小なり僕らはみんなそうだ。その思惑が態度と言動にさえ表れなければ、原動力なのだからとても良いことだ。

 

カッコよさと尊敬。

カッコよさと尊敬。

だがそのウエイトが極端に高すぎるとネイティブっぽい発音への執着という症状となって、あらわれてくる。

 

本来英語とは意思疎通ツールだ。そりゃカッコいいに越したことはないが、日本風アクセントであっても伝えたいことを伝える能力にあこがれるべきだ。

でも、「カッコよさと尊敬」のほうのが大事な人は数多い。

 

世界的ビジネスマンでさえ認めてもらえない?

残念ながら、 あなたがどれだけ、英語プレゼンで絶賛され、語学学校のテストでトップ5に入っても、発音フェチ留学生の「できる人」の序列は発音のネイティブっぽさによって自動的に決められてしまう。

○○が一番だよね、あとアタシ○○も好きだな、と。
○○さんはもうちょっと発音が良ければなー、と。

 

べつに他人がどう思おうが勝手?

そのとおり。でも、悔しいよね。
そして厄介なのは…

 

人間は、自分の発音を自分の頭の中で聞くと、実際よりも上手に聞こえてしまう。

 

まず前提として、あなた自身がこのトラップにはまっていないかチェックすることが大切だ。

「おれは発音うまいから大丈夫。人気者になれる」?

以下の例文を読み、スマホなどで録音した自分の声を再生してみてほしい。

これはあるプレゼンの引用と映像だ。

以下引用

 The human voice: It's the instrument we all play. It's the most powerful sound in the world, probably. It's the only one that can start a war or say "I love you." And yet many people have the experience that when they speak, people don't listen to them. And why is that? How can we speak powerfully to make change in the world?

www.youtube.com

以上引用
出典:Julian Treasure (Feb 2013)  How to speak so that people want to listen TED

  

録音した声は、どうだろうか。自分の期待と比べて。

●ほんとうに録音して自分の声を聞いたが、ネイティブ並みにすばらしかった人 →ごめんなさい。この記事はあなたに不要です。。

●それ以外の人 →皆同じです。相当難しい。

とくに初めてこれをやった人の多くは、自分の声にガッカリする
恥ずかしい!と感じて、あわてて再生を止めて削除に走る人もいるだろう。

そう、このように、 

人間は、自分の発音を自分の頭の中で聞くと、実際よりも上手に聞こえてしまう。

 

だから、発音フェチな学生は自分の発音が流暢だと思っている。あなたの英語を聞き、こう思っているかもしれない。

  

(あの人はのスコアはあたしよりも上だけれども、発音はあたしのほうが上ね)

「すごいですねー ”文法”すごく知ってるんですね!(発音はあたしが上だけれどね)」

「あたし単語覚えるの”は” 苦手なんですよねー(発音はあなたよりうまいのにねー)」

「いいなそんなに早く英語読めて。あたしあんまり読めない人だから(あたしは発音派だから)」 

  

なんだか被害妄想みたいになってきた。。

でも僕は、発音フェチの人と話して確認した。

まず彼らと話すと、発音の話題はもう抜群に盛り上がる。そこへ運良く(?)自己主張の大変強い女史に出会うことができ、上に書いたような尊い本音をご教示いただくことができたのだ。

そして、ご自身の英語はカタカナでいらっしゃるけれども、イギリス訛りがどうの~オーストラリア訛りがどうこう~、などとおっしゃる。

 

言っておくがあの大前研一氏でさえ、日本人のアクセントを少しだけ残している。世界一のコンサルタントでさえ。

オーストラリアにいれば、現地で起業して10年バリバリ頑張っている日本人が、英語を話したら ザ・日本訛り英語だったなんてことはよくある。

聞き手に負担を与えずに通じるのであれば、アクセントがあったって問題ないのだ。

 だが、フェチの人たちにそんな理屈は通用しない。

 

じゃあ僕らはどうすればよいか。

対策といっても、「大前研一さんでさえ…」なんて言って聞かせたって無駄だ。たぶん知らない。

フェチな彼ら彼女らの好む発音を身に着けて、見返してやるしかない。

僕は自分の留学中にこれに成功した。たったそれだけで、ハッタリが効き、こんどは過大評価に転じてくれるのだ!うれしいことに。

 ただ、先生に「見栄で発音を良くしたいです」なんて聞いても、ナニソレと言われると思う。

 

英語の先生が教えてくれる「伝わる正しい発音」と、日本人から尊敬のまなざしで見られる発音の仕方は、優先するべきポイントが少しちがう。

※本当は、伝わる発音を優先するほうが正しいわけだが。。
 今回あえてピエロになって、フェチな人の観点から考える。

つづく

www.fromzeropoint.com

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