30歳以上でワーキングホリデーを体験する方法→”ほぼ同じ体験”ならできる(2)
学生ビザでも働ける3カ国でなら、30歳を過ぎても疑似ワーホリのような体験はできる。
あきらめきれない人のために書いておく。
※本エントリは前回の続きなので、前回エントリを先にご覧ください。
都合の良い学校は?
語学学校でも、政府認定のきちんとしたフルタイムコースを選べば、働ける学生ビザになる。ワーホリの人も、当初3カ月は授業料を出して語学学校へ行くことが多い。
そうした語学学校で、極端に安かったり、授業のコマ数が少なくて働きやすかったり…という話は僕は聞いたことが無い。
さて、ここからがポイント。
語学学校ではなく職業訓練国に目を向ける。
オーストラリアには通称「ビザ取り学校」などと留学生に呼ばれている学校が存在する。学生ビザで滞在しながら、フリーな時間=バイトする時間が確保できる、安い学校の通称だ。
たとえば授業の選択をある曜日に固め打ちにすれば、宿題はあっても「月曜しか学校へ行かなくていい」という構図が可能だという。(友人が体験)
現実には完璧はありえない。希望する科目や講師が選択できずに週2、週3の通学になるかもしれない。また、シドニーにはあっても、あなたの行きたい街にそうした学校があるとは限らない。
それにしてもすごい。
よくも名目上「フルタイム学生」になれるものだ。
これらの学校は語学学校じゃないので、一定の英語力を求められる。でもたいがいは系列の語学学校があって、そこに通った人なら客観的なスコア無しでOKだ。
そこでは、真剣な学校が半年でとる学位を、1年かけていたりする。
学生ビザの有効期限はコースの期間による。だから、長く滞在したいならば、短期集中よりもスローペースで長期間のコースがいい。
「あまり長くオーストラリアにいたら、日本で再就職が心配だ」などと考えないほうがいい。
世界一の幸福度の国だ。帰りたくなくなり、短期コースでは後悔する人が大半だ。
いや、もっとリアルな理由がある。あと数ヶ月で帰ります、ではバイトを見つけるのに苦労するのだ。
学生ビザ更新にも相当お金がかかるから、やるんであれば長いコースにしたほうがいい。
では、留学業者のリストに、「好都合な学校」があるかどうか?
これは僕にはわからない。
こうした学校は営業にお金をかけていない。あなたが相談した留学業者が全然知らなくてもおかしくはない。やめとけ、と止めるかもしれない。
僕が相談した業者は、半年コースでも100万円以上するような高い学校、まともな学校ばかりだった。
…まあ、格安ビザ取り学校があっても、僕には行く気はなかったが。
ちなみに友人は、まず日本の業者が紹介した語学学校に通った後、「現地で」「韓国系の留学業者」に相談して、安い学校の紹介を受けたという。
この人のように、まずは語学学校から入るなら、日本の留学業者が安い学校を知らなくても問題ない。
あるいはシドニーなら、友人を作れば、誰かしらこのあたりのことを知っている留学生がいる。
ただ学校が変われば学生ビザは延長する必要がある。
ここは伝聞なので責任は持てないが、ビザ取り学校には、3ヶ月あたり25万円とかで滞在できる学校があるのだという。
しかもオーストラリアの場合、学校が倒産して全額持ち逃げしないように、支払いは法律で分割払いとさだめられている。
オーストラリアやニュージーランドの時給は日本以上に高い。つまり理屈では、週の大半を働いていれば、赤字にならず生活できてしまう。(でも アテにせず、余裕があったほうがいい。)
もちろん、現地のパートタイム仕事なんかより勉強に興味があって、お金の問題がないなら、格安ではない良い学校を選べばいい。
仕事
思ったよりは「手ごわい」。
英語のハンデ、永住権が無いハンデ。そしてワーホリには法律上、同一雇用主のもとでは半年までしか働けないハンデがある。
いっぽう学生ビザの人。この「半年ルール」は該当しないが、就労は「週20時間まで」というハンデがある。
足のつかない現金払いでそれ以上やっている人もいるが本来違法。
というか真剣な学校なら20時間でもキツすぎる。
※なおオーストラリアのバイトでは年齢は書かないし最後まで聞かれもしない。日系は知らないが。
働ける期間が長く、時間の融通がきく人が重宝されるのは、外国も同じだ。
「ビザの残り期間が短くて、昼間は授業で、かつ20時間まで」というケースだと、英語が流暢でも苦戦する。
英語ペラペラだったスウェーデンの僕の友人も苦戦した。ーただし彼女の場合は社会人経験がない。だからこれを読んで、ああ自分では無理だとは思わないでほしい。
もし、ローカルのよい仕事が見つからず、日本食レストランでも働きたくないときはどうするか。
※日系こそブラックで、時給が違法に安いことがある。
ー そんなとき、ワーホリ組なら、宿舎つきの農場の収穫作業に参加する手段もある。
だが、学生組にはできない。学校があるから、都市から離れられない。
理屈のうえでは、授業を完全にすっぽかせばいいのだが、出席が足りないと学位が取れない。出席が足りないと、もし学生ビザ延長したくても不可になる。それでいいなら可能だが。
農場の収穫は短期もあるので、学校の休暇とやりくりがつけばいいが、住まいをキープするなら家賃は払う必要がある。
一方ワーホリなら、住まいごと別の街に移ってしまえる。
こんな具合だ。
こうした違いはあるが、あなたが「あこがれていたのにやれなかったワーホリ」に非常に近い体験ができるわけだ。シェアハウスを借りて誰かと住み、職探しをして。
リアルワーホリが有利な面も書いたが、単に隣の芝生が青く見えているだけの部分もある。
たとえば仕事探しの苦戦が~、の部分。
たしかに「働ける時間の少ない真剣な学生」とくらべるとリアルワーホリが有利だが、「授業の少ない学校の学生」と比べると、ワーホリも大差ない。
彼らも英語力にハンデがあるから、悩みを抱えている。
農場(ワーホリ組はファームジョブと呼んでいる)や、日本食レストラン(彼らはジャパレスと呼んでいる)の職に就く人が、多数派を占める。
またワーホリだって3か月は就学が認められているから、ひとつの街で語学学校に通うことが多い。バイトも、短期なんて雇用主が嫌がるだろうから、数ヶ月ごとに街を移れるわけではない。雇用主に嘘をついて、それをやっている人もいるけれど。
最後の数ヶ月は旅人になって点々とする人が多いが、お金さえあれば学生にだってできる。コース終了後、コース期間によるが1~2カ月の滞在猶予が与えられるからだ。
周りにやってる人がいないけれど大丈夫か
30代なかば以降で外国の学校へ行き、パートタイム仕事をする人は、たしかに、多くはない。
ブリズベン滞在中、近所に住んでいたアナイスというフランス人は34歳で、2度も学生ビザを延長し、働きまくってレストランマネージャーにまでなった。彼女の学校、そんなに安くないのだが。。
”学生ビザのまま働き、雇用主に認められて労働ビザ発給されることを狙っている” …ふうでもなかった。フランスの仕事の居場所もまだ残しているらしい。
別の日本人の友人Mは、36歳でもこれをやって、シドニーでいまも現地で楽しそうに暮らしている。ただあらかじめお金に余裕は持っていた。
以上、僕はこれを、ワーホリに行かなかったことを今になって後悔している人へのヒントとして書いた。
大企業に履歴書を評価されたい人や、人と違うことをするのが怖い人には向いていない。
注意事項
※ここから先の、オーストラリアで労働ビザがとれるか、永住できるかというのは、じつは壮大なテーマになるので一切触れない。
※本当に頻繁に法律・ルールが変わるため、概要だけ参考にしていただき、ご自身で最新情報をご確認ください。当方では本稿の情報から生じた一切の不都合の責任は負いかねます。